君を愛す ただ君を……Ⅱ
「俺もその日、病院に行くから」

「えっ? 学校は? 部活だってあるんじゃない?」

「まあ、あるだろうね」

「駄目だよ。綾樹はプロになるんでしょ? 陸上部で良い成績を残して、プロになるんだから」

 彩樹が立ち上がって、私を見下ろした。

「一日くらい平気だよ」

「でも……毎日の練習が凄く大事だって聞いたよ」

「大事だよ。練習より大事なことだってある」

「な…なに、言っているの?」

 彩樹が私に背を向けた。

「心配なんだよ、愛の身体が」

「彩樹……」

 私も立ちあがると、彩樹の制服の裾を掴んだ。

「ありがと。でも検査なら一人で平気だから。ちゃんと学校に行って。もし、手術ってことになった時は……その時は、一緒に居て欲しい。だから、検査は一人で平気」

「……わかった」

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