君を愛す ただ君を……Ⅱ
 ガシッと彩樹に肩を掴まれた。

 これじゃ、ますます誤解されてしまう。

「彩樹はわかってない。女子にどんな目で見られてるか。私と居たら、誤解される。彩樹の好きな人だって、間違われる。ただの幼馴染なのに、恋人同士だって……」

 私の言葉に、彩樹の眉間に皺が寄った。

「それのどこがいけない?」

「……え?」

 私はあっさりと悪びれもなく返答する彩樹に、脳内が停止しそうになる。

「ちょ、ちょっと、待って。私の言っている意味、理解した?」

「俺は陸上馬鹿だが、勉強はできるつもりだ」

 まあ、そうだよね。

 毎日、きつい練習してても、学年10位以内には入る成績なのは知ってるけど。

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