君を愛す ただ君を……Ⅱ
「わかってないのは、愛のほうだ。なにをそんなに隠したがる? いつもいつも、俺との関係を隠したがるのはなぜだ」

「あ…当たり前でしょ!」

「どこが『当たり前』なんだ? 隠す必要なんてどこにもないのに」

「いや……あるでしょ」

 もう。全然、わかってないじゃない。

 私は彩樹の腕を払うと、人差し指を彩樹に向けた。

「一から説明しないと、わからないの? 陸上馬鹿だけど、成績優秀なら察してよ」

「何をどう察しればいいんだよ。愛こそ、察しろよ」

「私が何を察しなくちゃいけないのよ」

 彩樹が私の人差し指を掴むと、ぐいっと身体を引き寄せた。

「俺の気持ちを…だよ」

「え?」

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