君を愛す ただ君を……Ⅱ
「行くぞ」と、彩樹が言って、私は腕を捕まれた。

「綾瀬先輩はいいの?」

「いいんだよ。好き勝手なことばっかやり過ぎなんだ。愛にまで迷惑をかけて」

「私なら別に」

 彩樹が振り返って、私をみた。

「悪かったな。気づいてやれなくと」

「ううん」

 私は首を振ると、彩樹に微笑んだ。

 平気だよ。彩樹に助けてもらったら、今までの辛かった思いが、吹き飛んだよ。

 彩樹が私を庇ってくれて、うれしかったよ。
 
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