作品集・LOVE MELODY
「!!?」


彼のスーツの襟元に付けた社章バッチが私の髪に引っかかった。





「痛くないか?」


「痛いです…」


夏目さんは私に近づき、ピンと張り詰めた私の長い髪に弛みを持たせて、バッチに引っかかった髪を解いた。



「お前の髪の毛…細いなぁ」


「ありがとうございます」


「お前…お嬢様なんだから、どこかの御曹司と結婚してセレブの暮らしを満喫すればいいのに。何で?OLなんてしてる??」

「世間を知る為です…いけないですか?」


「別に…そうしたいならそうすればいいけど」


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