作品集・LOVE MELODY

「…でも、皆…密かにお前を…狙ってるぜ…玉の輿だからな」


「玉の輿？？」


「お前は元大手ゼネコンの社長令嬢だからな…今は国会議員の令嬢か…」


いつもの夏目さんとは違って目つきが妖しいし、声もくぐもってて鼓膜を擽る。


「桐生お前…男に襲われたら…ちゃんとNOと言えそうにないな」


「！！？」

夏目さんが私を背中から抱き竦めてきた。


柱で隠れて、フロアの皆には見えないからって大胆だ。夏目さん！？


恋人でもないのにハグなんて・・・


急激に私の身体に熱が帯びて、思考は緊急停止。


彼の言う通り…本当に私はダメだと言えないし、抵抗も出来ない。


好意を抱いてる夏目さんだから許せるのかもしれない。