作品集・LOVE MELODY

部屋に帰ると珍しく…兄貴が先に帰っていた。


ソファで寛ぐ兄貴は俺に１枚の紙を見せる。


「…この桐生瑠果って・・・お前と同じ会社の…桐生議員の娘だよな」



「ん、あ…そうだ」




桐生は兄貴の人材レンタル会社『フェイク』に恋人のレンタルを依頼していた。


「…あいつ…恋人をレンタルするつもりか」



「…唯斗お前…彼女の恋人を引き受けろ…」




「俺が？」



「…今でも…お前桐生議員のコト…俺と同じで憎んでいるよな」



「…俺は・・・」



兄貴と同じで…今でも…桐生議員を憎んでいる。