作品集・LOVE MELODY
でも、桐生瑠果のコトは…



「これが…彼女の希望の彼氏らしい。目を通しておけ」



「待てよっ!?俺はまだ…やると決めていない」



「…これは兄貴としての命令だ…やれっ!」



「・・・」



兄貴は俺に資料を押し付けて、自室に行ってしまった。



時々、兄貴のレンタル業は手伝っていたが…



恋人のレンタルは初めてーーー・・・



ましてや相手が同じ会社の同僚の桐生…




両親が亡くなって当時、俺はまだ中学生。


中学生だった俺を社会人の兄貴は養育、大学まで出してくれた。

その恩があって、兄貴の命令には逆らえなかった。



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