作品集・LOVE MELODY
俺は左手の薬指に光る親父の結婚指輪を見つめる。



俺の着けている結婚指輪は親父の遺品。


「俺のするコトに口は出さないでくれよ…兄貴」


「ああ~彼女はSの男を望んでる…でも、お前はその逆の優しい男を演じろ」




「はぁ?」



「…あっさりと彼女の望みの男を差し出すのは面白くない」



「…瑠果は金を出してるんだぞ!!望みの男をレンタルさせなければ、すぐに契約が切られるだろ?」




「…どう考えても…あの手のタイプの女がSの男を望んでいるとは思えない」



あれは服のサイズと間違えただけだ。兄貴もちゃんと…瑠果の本質を見抜いてるじゃないか…長年の経験だろうな。
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