作品集・LOVE MELODY

「…でも、一生懸命…段ボールを開けてTシャツを出す瑠果の姿…落ち着きのない四六時中、動いてるハムスターみたいで可愛かった」



「変な例えは止めてください…」



「変だった？」
夏目さんは私の反応を見て薄笑いする。


レンタル恋人となった夏目さんは演技か本性なのか理解出来ないくらい…S役が上手。





「…来週の日曜日は今日の穴埋めをするから、空けておいてくれ」



「…来週は…そのお見合いで…」



「見合いか・・・どこで？」


「…あ…」



「…お前はお見合い相手と結婚するんだろ？俺に見合いを潰してくれとは言わなかったよな。まぁ、でも…見合いしても…俺はまだ、お前に何も教えていない…見合い相手とヤるなよ」




夏目さんはみんな訊こえないように顔を近づけてくぐもった声で言った。





「はい・・・///」


私は夏目さんのストレートな物言いに顔を赤くする。

そんな私を見てまた、意地悪にも取れる皮肉な笑みが見えた。