作品集・LOVE MELODY
でも、桜柄の振り袖姿の瑠果と見て…



捨てたはずの町を思い出した。



春になると川沿いの千本桜が美しいピンク色の景色を作る。



毎年、春になると家族で桜の木の下で宴会をしたーーー・・・



町の人たちはその昔ながらの風景を守る為に高速道路の建設には反対した。




親父もお袋も…町の人たちのキモチを理解していた。



小さな町の建設会社。



大手ゼネコンの『桐生建設』の孫請け会社として沢山の恩恵を受けていた。

親父は『桐生建設』と町の人たちの間に立ち、苦しんでいたと思う。





瑠果は桐生議員の娘だとわかっていたけど。


俺は桜の媚薬に惑わされて、彼女に惚れてしまった。











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