作品集・LOVE MELODY
「瑠果ちゃん…泣かないでね…せっかくのメイクやり直しになるから」
「うん」
「…今年の著名人たちの芸術展…観に行った?」
「え、あ…ううん」
「今年も捺…絵を描いてるから観に行ってごらん」
「展示はいつまで?」
「…月末までかな?…夏目夫妻の住んでいた町の名所・桜川の千本桜を描いてるから」
「桜川って?」
「小さな川だけど…春になると満開の千本桜が川の両端をピンク色に染めるの…」
「へぇ~っ。素敵…」
「でも、15年前の大地震で町の景観はすっかりと変わってしまった。桜川も同じ…捺が失った町の風景を描くなんて理解に苦しむけど…今でも…夏目夫妻には申し訳ないと思ってるのね…捺は神経図太そうに見えて…実は繊細だから」
お父さんが繊細?
私は思わずぷっと笑ってしまった。
「うん」
「…今年の著名人たちの芸術展…観に行った?」
「え、あ…ううん」
「今年も捺…絵を描いてるから観に行ってごらん」
「展示はいつまで?」
「…月末までかな?…夏目夫妻の住んでいた町の名所・桜川の千本桜を描いてるから」
「桜川って?」
「小さな川だけど…春になると満開の千本桜が川の両端をピンク色に染めるの…」
「へぇ~っ。素敵…」
「でも、15年前の大地震で町の景観はすっかりと変わってしまった。桜川も同じ…捺が失った町の風景を描くなんて理解に苦しむけど…今でも…夏目夫妻には申し訳ないと思ってるのね…捺は神経図太そうに見えて…実は繊細だから」
お父さんが繊細?
私は思わずぷっと笑ってしまった。