作品集・LOVE MELODY
あの時は俺の方には見向きもしなかった瑠果。




遠目には桐生夫人が立っていた。その隣は多分、瑠果の双子の兄貴の片割れ。

今の『桐生建設』の社長か?




俺は素性を明かし、彼氏だと嘘をつくーーー・・・




物わかりが良く…二人は見合い相手の待つ中華料理店に行ってしまった。



エントランスに残された俺たちは互いに沈黙を守る。



ホテルを出て、隣のビルの1階のカフェで休憩した。




「あの・・・夏目さん」



「んっ?」



瑠果の表情は酷く思い詰めたような感じだった。


「どうした?」






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