作品集・LOVE MELODY
「俺は別に…瑠果を憎んでなんていない。桐生議員だって・・・」



大地震で襲われ、壊滅的になった故郷の町の復興に尽力してくれた。




確かに…両親が心中した当時は憎悪で心は占められていたけど。



兄貴のように憎悪や復讐だけの生き方は望んでいない。

兄貴には色々と世話になったから逆らえないだけ。



でも、俺は今日…兄貴に逆らい…瑠果を奪いに来た…




「未曽有の大地震で壊滅的な町の復興に桐生議員は…手を尽くしてくれた…俺は瑠果のレンタル恋人ではなく本当の恋人になりたい」



「夏目…さん?」




「驚くのは無理ないな…ははっ…君には既婚者で子持ちだって言ってんだから」


「それは嘘だとわかっていました」



「そっか…この指輪は父の遺品だ…父と母の分まで生きていこうと誓い…身に着けたもんだ」


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