作品集・LOVE MELODY
「…今すぐにでも瑠果とキスしたいけど。何処かこのあたりにいい場所ある?」


「そ、そんなコト…言われても…困ります…夏目さんの方が知ってるでしょ?」



「…瑠果は本当に可愛いね。俺の冗談も真に受けて…真面目に応えるから」



夏目さんはテーブルに頬杖を付いて、私を観察するように見つめる。



「冗談なんですか?夏目さん…酷いです」



「…酷い?じゃあ~付き合うのは止める?」




「それは…出来ません」



「俺も出来ない…報われない恋だと思っていたんだ…でも、こうして瑠果を手に入れた…俺の方からは手離せない」


夏目さんの黒い瞳に妖艶な光が見える。



「…瑠果の全身を振袖の色に染めたい…」



「それって…私と…」

全身に汗が滲み出す。


「…また、真に受けた…ははっ」

私は夏目さんの冗談を二度も本気にして、苛められる。
でも、嫌じゃない。私って本当にMかも。


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