作品集・LOVE MELODY
すぐ手の届く場所に無防備な瑠果が仰向けに寝転んでいる。



俺が手を伸ばすと警戒を濃くした小動物のように全身を震わせた。



「…そう…警戒するな」



「警戒していません。怖くて…」



「怖いか…初めてだからな・・・」



俺は警戒を解くように優しく瑠果の頬を撫でる。




「俺は桐生議員に会うよ。両親のコトもあるし、見合いを壊したコトだ…あまりいい印象はないと思うけど」



「…父は本当に心から唯斗さんの両親には悪いと思ってます…」



「…うん…それはわかってる。兄貴の憎しみを失くすのも俺の役目だと思ってる」



いつまでも、過去の柵にへばりついて兄貴にも生きて欲しくない。






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