作品集・LOVE MELODY
僻地に住む人たちの生活の便を豊かにする為に。



でも、便利な暮らしよりも町の景観が変わるコトに嫌悪感を抱き、反対する町の住民もいた。



それが夏目の住む町・桜川町だった。



「…夏目はどういうつもりで…瑠果と付き合っている?留奈」



「そこまで、深い話はしていません」



「…俺は夏目の両親を心中させた男だ。兄は俺を酷く恨んでいた…詫びにと弔問に来た俺を門前払いしたんだ。弟だって…」




「…それは本当なの?捺」



「そうだ」



俺は皆から距離を離して窓際に寄りかかり、瑠果のスマホに電話を掛ける。



「瑠果…俺だ俺…」



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