作品集・LOVE MELODY

違約金~瑠果side~

私は夏目社長に『フェイク』のオフィスに呼び出された。



「契約違反の違約金について…お話させていただきます」



夏目社長は体調がすぐれないのか顔色が悪かった。

テーブルに資料を置き、抑揚のない事務口調で話していく。


「違約金…100万って何ですか!?」



「不服で払えないなら…俺は裁判を起こしますよ。桐生さん」



裁…判。


「…裁判沙汰になれば…コトが公になる。君の婚約者は元々レンタル契約した恋人。父親の桐生議員、兄の桐生社長にだって迷惑がかかる。違いますか?」




夏目社長は酷薄な笑みを浮かべて、私の反応を見つめる。


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