作品集・LOVE MELODY
課長に弱みを見せたくない私は、椅子から立ち上がって否定した。



「なら、行こうぜ…大迫」


「わかりました・・・行きましょう…」


一度、死んだと思い、私は覚悟を決める。


「一度、観てみたかった…楽しみだなぁ」
課長は頬杖をつき、嬉しそうにガラス越しのスカイタワーを見つめる。
明日の遠足を楽しみに待つ小学生みたいな可愛い顔。


思わず私は笑いがこみ上げた。


「んだよっ!?人の顔見て、笑うな…失礼だぞ…大迫」


「だって・・・」




だって、30歳入ったおっさんの顔じゃないって…


冷徹上司も、私と同じで多重人格者だ。








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