作品集・LOVE MELODY
* * *


エレベーターに乗り込んだ時から、私の足元は恐怖で竦んでいた。


「大迫、顔色悪いな?どうした?」


「別…エレベーターで酔っただけです」


「昨日の酔い、醒めてなかったのか?」


「そう、みたいです…ははっ」
私は課長には悟られまいと笑いで誤魔化した。



地上350mの展望デッキに到着した。
5mを超える大型ガラスが360度配置され、東京の街の巨大パノラマで、皆を魅了していた。

「凄いぞ!!大迫」


課長は私のゲッソリとした表情を他所に無邪気にガラスの向こうに見える街を眺めていた。



「あれが俺たちのオフィスかな?」


「あ…」

私はチラ見で課長の指差す方向を見つめ、サッと顔を俯かせる。






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