作品集・LOVE MELODY
「何だ?大迫…怖いのか?もしかして、高所恐怖症??」


私の態度を見て課長は私が、高所恐怖症だと気づいてしまった。


「あ…まぁ~」


「誘った時からおかしいと思っていたが…上の天空デッキには上れないな」


「一人で行けばいいでしょ?課長」


「…寂しいだろっ?回りを見ても一人で観てるヤツなんていない」
課長はグルリと周囲の見知らぬ人たちを見渡した。



「・・・飲み物でも飲んで落ち着くか?大迫」
社内ならいつもピリピリと我が物顔でデスクに座り、ブリザードを吹かせる課長が私を気遣う。



私は課長に促されて隣を歩く。



「ガラスじゃなく、俺は鏡がいいなぁ~」


「!!?」


気づいたら、私の足元はガラス床で視界に映るのはタワーの鉄骨、急に胃から酸味のある液体がこみ上げそうになった。



「おい!!?大丈夫か??大迫」








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