月下の幻 太陽の偽り (仮)
「歩美さんがこの教会に預けられたのは雪が積もっていた真夜中の事でした。事務的な大量の仕事が終わり、ようやく就寝出来ると思い私は外に出たんです。その時偶然に出会ったんです。あの人に…」

「私をここに預けた人、ですね。」

「人、そうですね。人の容姿はしていましたね。」

「えっ?」

私は思わず声を発した。

言っている意味が解らない。

エイリアンにでも出会ったとか言いたいのだろうか。

私はシスターの話を続けて聞いた。

「私はあの時の事は忘れようにも忘れられません。あんな出来事なら、誰も忘れないでしょう。」

そう言って、シスターは話を始めた。
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