月下の幻 太陽の偽り (仮)
-貴女は神を信じ、崇拝している人と聞きました。-

「…」

私は無言でうなづきました。

-人はどうやって神と悪魔の存在を知ったのか、貴女は考えた事はありますか?-

「それは…」

-知らない筈です。ですが確実に人と接点がありました。そして神族が人より上位だと言い、悪魔は人間を脅かし、魔に誘惑する存在であると教えた筈です。それがどう言う意味があるのか、貴女には解りますか?-

「まさか、そんなことがあるわけが…」

-信じられないなら別に構いません。ですが私は事実を述べたまで、私達悪魔は神族の行いにより壊滅しました。壊滅し、尚も破壊され続けています。そして、この世界も…-

「信じられません。そんな事…貴方が本当に悪魔なら私達はそれを信じるわけにはいきません…」

語気を強くした私は手に持っていた赤ちゃんを突っぱねるように返した。

「この子だって、どうせ悪魔の子供、こうやって押し付けて、そんなやり方が悪魔らしいです。」

-その子は、魂を宿した天使の亡骸です。-

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