月下の幻 太陽の偽り (仮)
まさか、神を崇拝する身である私が悪魔にお願いされる事になろうとは思いにもよりませんでした。

でも、驚く私にその男性からは必死さが伝わってきました。

悪魔とは言え、嘘をついているようには思えませんでした。

そして私は…

「解りました。でも、もしこの子が災いをもたらす事があれば、この子を私達の近くに置く事は出来ません。そんな時は貴方にお返ししたいと思います。どこに返せば良いですか?」

条件付きでそれを承諾することにしました。

私もやはり悪魔は怖いのです。

-そんな事は起こり得ませんが…万が一その様な事があれば、この地域に古くからある森をご存知だと思います。あそこにこの子を置いてきてください。どこに置いても私が持ち帰ります。-

そう言って彼はロングコートの裏からゴソゴソと何かを探し、暫くして彼はペンダントの様な物を取り出しました。

「これは神族や悪魔が自己の力を呼び覚ます為に持つ神具と呼ばれる物です。我々の世界ではアーティファクトと呼んでいますが…」

「アーティファクト…」

私はそれを受け取り、彼は言いました。

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