月下の幻 太陽の偽り （仮）

「んっ…？」

私は目を開くと同時に意識が覚醒したのを感じた。

先程まで私は眠っていたようだ。

そんな些細な事に私は驚いた。

今いる場所が教会でなければこんなにも驚かなかったに違いない。

噂通り、この教会で眠ってしまった。

まだ夜中なのか暗い教会内は少し不気味だった。

しかしその小さな礼拝堂に置かれていたマリア像だけは月光に照らされ、その威厳を醸し出していた。

更に回りを見回すと、少し離れた場所に瑞穂は眠っていた。

その表情は何故か笑顔でヨダレまでたらしていた。

とても良い夢を見ているみたいで起こそうとは思わなかった。

ふと気になって私は腕時計を見た。

時間はもうすぐ２時になろうとしていた。