月下の幻 太陽の偽り (仮)
-大丈夫?-

女性の冷静な声がふと耳に響いた。

これが大丈夫に見えるかと言われれば、明らかにノーだ。

死ぬしかないこの状況の中、何を思ってそんな事を聞くのだろうか。

しかも冷静にだ。

-大丈夫?-

またあの声が聞こえる。

どうしてそんなに冷静にいられるのだろうか。

聞いてくるくらいなら救急車くらい呼んでくれても良いのに…

私は心中でそう非難した。

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