月下の幻 太陽の偽り (仮)
あれからガラフの姿を見ていない。

いや、見れなかったと言うべきか…

あの後、ガラフの入った部屋に恐る恐る入ったが、人の姿すら見受ける事が出来なかったからだ。

人の気配すら感じずに入ったその部屋は、骨董品やふかふかのソファーや木造の豪華なオフィステーブル等がある部屋だった。

おそらくはこの教会の長の部屋だった場所だろう。

外を見ることが出来る窓は鍵が掛かっており、それ以外に外に通じる物は無かった。

一応その部屋の周りを外からも眺めたが、窓以外の物は見受けられなかった。

当たり前だが、タンスの中等にも隠れている様子はない。

本当に彼は「消えた」ようだ。

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