月下の幻 太陽の偽り (仮)
式町は昔、広大な森だけしかなく、地域名すら存在しない辺境だった。

資源がない上に、昼間でも真っ暗なその森を好き好んで行く者はおらず、その雰囲気だけが人の間で広がり、「妖しの森」とも呼ばれていた。

幕末が終結した1864年、長崎で隠れキリシタンの存在を知られる事で、全国への流刑が始まりその中の一つが妖しの森(現式町)である。

極端な資源不足と迫害を受けながらも信教は欠かさなかったが現在至るまでどこで信教を続けていたのかは謎のままである。

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