月下の幻 太陽の偽り (仮)
何かの拍子でガラフはアリンに出会い、その後百年近い時間をあそこで過ごし、偶然現れたアリンそっくりな私を見て取り乱した。

それなら納得は出来る…が。

「…アホらし。」

私はさっきまで巡らせていた考えをそんな言葉で一蹴した。

納得は出来るが、所詮はあり得ない出来事。

一蹴するに値する例えでしかない。

そんな事、あるはずがない。

私はパソコンが澄んだ音色を奏でながらシャットダウンするのを見ながら小さな溜め息をついた。

結局…

「結局、私一人では何もわからないって事か。」

そう結論づける事しか今の私には出来ないのだと思わざるを得なかった。

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