ALL-最初で最後-
なんとなく家に帰りたくなくて、近所の公園に行く。
噴水とかそんなおしゃれな物はなくて、子供もいっぱいいるわけじゃない公園。

赤いペンキがはげだしたベンチに座る。

「はぁ…」

溜め息。
溜め息をつくと幸せが逃げるっていうのは嘘だと思う。
だって、幸せが逃げたから溜め息をついてるんだもん。


「はぁ…」


―ん?
今度は私じゃない。

周りを見渡すと、隣のベンチに大学生くらいの男の人が座っていた。
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