血も涙もない【短編集】
あー、やっちった。
あー、貧血だぁ。
血が足りねぇな。
恵実のヤツどんだけ抜きやがったんだ、バカめ。
今日は仕事あんだから支障がない程度にっつったのに。日本語わかんねぇのか、自分だってしゃべってるくせに?んなわけあるかバカ。
「先生、さようならー」
「おぉ、気ぃつけて帰れよ」
スカートをひらひらさせて、おまけに手のひらまでひらひら振って、
かっわいいなー、女子高生って。
肌出して、無防備に笑う。
やっべー、鼻血出そ。
でも血足りねぇのに出したら死んじまうな。落ち着け俺の理性。
でもまぁ、教師やってて良かったー!
見放題の妄想し放題!
さいっこーじゃねぇか!
それに俺のこのルックスに、
この若さ。
生徒からもなかなかの評判だ。
でもまぁ、俺が誰かにぐらついてっと、恵実に殺られかねねぇからな。
ははは。
笑えねぇ。