血も涙もない【短編集】




体温が上がっていくのがわかった。
息が荒くなって、意識まで朦朧(もうろう)としてきて、頭の中にはイヤらしい声だけが響く。

電気も消して、外の明かりにも頼れない時間になっていたせいで、真っ暗の中、伝わるのは相手の熱。

触った所が熱くなる。
彼女の声が漏れる。
俺も更に熱くなる。




ははは。



さいっこーだぜ。










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