血も涙もない【短編集】




「海羅?どうしたの?」

「ゆーれいさん、いなくなっちゃった」

「え?」

「ありがとうって」

「……そ」

「たいせつなひと、そこにいるのに」

「いいのよ、きっと」

「なんで?」

「必要がなかったのよ」

「そーなの?まま、わかるの?」

「ふふふ。わかるわ」

「ふーん」

「さ、海羅。おてて繋いで…」





帰ろっか。







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