追憶の詩 -浮世抄華-
ふと、頭に1つの理由がよぎった。
俺はその理由である者に視線を向けた。
「楽しそうですね!」
視線の先には嬉しそうに笑う葛葉の姿がある。
もしや、副長は彼女の為に…?
「総司、斎藤、涼。悪いが、明日月見の買い出しに行って来てくれ」
「はい、分かりました」
「御意」
「えーーっ!!」
「えーーっ、じゃねぇよ。お前が発案者なんだから、買い出しくらい行って来い!」
「分かりましたよ…」
総司は面倒臭いと言わんばかりに唇を尖らせていた。
こうして、明日の夜の月見に備え、俺達は各自部屋に戻った。