追憶の詩 -浮世抄華-


私も彼に誘われるように、空を見る。




空には昨日よりも丸く、光り輝く月があった。




まるで、自分の存在を示すかのように――。




「そういえば、お前と初めて会った日もこんな綺麗な月夜だったな」




土方さんがポツリと呟いた。




あの夜は月だけでなく、桜も美しく咲き誇っていた。







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