追憶の詩 -浮世抄華-


「葛葉、入るぞ」




「あ、はい」




すると、お盆に湯飲みと紙袋を乗せた斎藤さんがやって来た。




私は身体を起こそうとしたけど、彼に止められ、横になったままで居た。




「どうしましたか、斎藤さん…?」




「薬を持って来た」




そう言って、斎藤さんが見せて来たのは『石田散薬』と書かれた袋。





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