追憶の詩 -浮世抄華-
すると、背中に床の固く冷たい感覚がした。
今は逆で私が彼に押し倒されているような形になっている。
「それ、そんなに大事か?」
彼は頭上にある日記をチラリと見ながら言った。
私は小さく頷く。
「そうか。でも、日記はあった事を書いて、それで終わりだ。確かに思い出は残るけどな…」
確かに彼の言う通りかもしれない。
それでも、彼らと過ごした思い出をちゃんと形として残して置きたかった。