追憶の詩 -浮世抄華-
幕間 穏やかな遑
私はお茶を入れ、縁側で待つ彼の所へ向かった。
「どうぞ」
「ああ、すまねぇな」
土方さんは私からお茶を受け取り、一口飲んだ。
「そういえば、何故長に呼ばれたんですか?」
ふと午前中、彼が居なかった事を思い出し、尋ねた。
「あ、忘れてた。涼、明日から偽名を使わなくて良いぞ」
「はい!?」
何故!?
まさか、私達の正体がばれたんじゃ…。