追憶の詩 -浮世抄華-


そんな事考えた事もなかった。



京に居た時から『土方さん』って呼んでたから、もう癖になっている。




「名字だと他人みたいで嫌なんだよな…」




彼は拗ねたようにそっぽを向いた。




たしかに私達は他人って関係じゃないけど…。




いざ、名前で呼ぶとなると、凄く恥ずかしい。




「歳三…さん…?」




私は彼と目を合わせないように下を向いた。




恥ずかしくて、顔が熱い…。






< 153 / 155 >

この作品をシェア

pagetop