追憶の詩 -浮世抄華-


――――――――――


「ああ…、やっと取り戻せたぜ…」




発句集を取り戻し、部屋に戻った土方さんは文机に突っ伏した。




取り戻したのは、あれから半刻が経った頃だった。




「今、お茶をお持ちしますね」




「ああ…、頼む」




彼の声には疲れが滲み出ていた。




私はお茶を入れに勝手場に向かった。





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