追憶の詩 -浮世抄華-


ジャキン…?




聞こえた音よりも、私の場合は突然の平助君の訪問にバクバクと鳴っている胸の音の方が気がかりだった。




「おいおい、平助。涼がびっくりしてんじゃねぇか」




彼に続くように原田さんと永倉さんがやって来た。




「わりぃ…。それより、今日の夜、空いてるか?」




「うん、夜はたいてい空いてるけど…」




女中の仕事は昼間が中心だし、夜は別に何もする事が無い。







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