追憶の詩 -浮世抄華-


そして、夕刻――。




井上さんが言った通り、雨は止み、七夕祭りは無事開催された。




空は雲一つ無く、綺麗な天の川が見えている。




「よぉし、皆酔う前に短冊に願い事を書いてくれ」




平助君は一人一人に短冊を渡す。




私も短冊を受け取り、願い事を考えていた。




「やっぱりこれしかないよね…」




というより、この願い事しか思いつかなかった。






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