追憶の詩 -浮世抄華-


「そういえば、涼。俺の羽織のでかい縫い目は何だ?」




和やかな空気がその言葉で崩壊した。




まずい…、ごまかさないと…。




「いや、その…、あの…ですね…」




「涼…、素直に吐け」




私は必死にごまかそうとしたけど、彼のドスのきいた声に気圧され、素直に吐いてしまった。





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