追憶の詩 -浮世抄華-


その夜。




「…………」




何故か、私は女物の浴衣を着せられていた。




「可愛いな~、涼!」




「やっぱり、美人さんは何を着ても似合う!」




平助君と永倉さんが褒めてくれた。




私は今、白い布地に淡い紫色の桔梗が描かれた浴衣に身を包み、髪も結い上げ、薄く化粧もしていた。






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