追憶の詩 -浮世抄華-


私は少しうなだれていると、目の前にくじが差し出された。




「くじ?」




「行く順番を決めんだよ」




原田さんの手の平には番号が見えないように折られたくじがあった。




私はそれを一枚引き、中を見た。




ピシッ。




「涼、固まってるけど大丈夫か?」




平助君が私の顔の前で手を上下を振っていた。







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