追憶の詩 -浮世抄華-


辺りは夜目が効かないくらい真っ暗で、梟が不気味に鳴いていた。




無理無理無理無理無理!!!!!




もう帰りたい、今すぐにでも屯所に戻りたい!!!




その思いから、自然と歩くのが速くなっていた。




しばらく歩くと、原田さんが言っていた棚を見つけ、団扇を取った。




「やっと帰れる…」




私はようやくこの恐怖から解放されるのだと安心し、皆の居る所に戻ろうとした。





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