光へ
賢に腕を掴まれた!!!



賢一:『どして?誰かから聞いたの?』

いつになく優しくささやく。


理恵:『右腕に傷があるって…』


賢一:『ゴメン!!!問い詰めないから!本当にコ許して!』

賢が必死に謝っている。

入れ墨くらい驚きもしない。

ただ意味が理解できないだけ。


理恵:『どうして謝るの?』

すると賢は起き上がり
椅子に座り真面目に話し出した。


賢一:『俺、地元こっちでさ。』

それは知っている。

たぶん全てバレていると思い
話す体勢になったのか
黙って聞いていると次々と出てくる賢の秘密。



賢一:『高校3年の時に仲良くなった先輩に薦められて
学校辞めて外れた道に走っちゃって。。
それで色々あって、こっちに居られなくなってさぁ。
今住んでる所に飛ばされたんだ。
新しい環境に慣れなくて、飲み歩く事が生き甲斐になってて。…』

話は続く。

健一という後輩を犠牲にした事もあったとまで話してくれた。

健一くんはそれを言いたかったのだろうか。

そして…

最後に告白された事は。



賢一:『俺、結婚してるんだ。
8歳になる子供も居る。』

だった。


驚き過ぎて言葉もでない。


賢一:『でもね…』

何も言えず固まっている私に気付いたのか
話をやめ私の肩に手をかけようとした。

賢がとった
私に対しての心配の意味であろう行動に
私は手を振り払い1人でホテルを出た。



不思議と涙が出る。

久々だ泣くのは。

どして悲しいんだろう。

騙されていた事が悔しいのか

賢の事が好きで悔しいのか。


賢の車が来た!!


とっさに隠れ息を潜める。

すぐに賢はUターンし戻って行った。

時間を見ると賢が帰ると言っていた時間になっていた。



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