そんな君に恋をした。



「…………っ」


どうやら先生は優奈のモロ好みだったらしく。

優奈は瞳を潤ませながら、あたしに向かってパクパクと口を動かす。

内容は、もちろん


『 カ ワ イ イ 』





あー……うん、良かったね…?



そう思いながら、苦笑いして、優奈に返事をする。




「えと…!あたらしくこのクラスを担任させてもらいます、桐島といいます…っ!よろしくお願いいたします…!!」



おどおどしながら、頭をさげる。

うん、守ってあげたくなる感じ。
桐島先生、確かに可愛い。




「桐島先生っ」


すかさず、優奈が手を挙げて、席を立つ。


え…!?
なに、どうしたの優奈…



「桐島先生は、下のお名前なんていうんですか!?」



そこか。

でも、確かに気にならないこともない、こんなに可愛い先生だもの。


桐島先生に下心ありありなヘタレ男子どもが優奈に次々と感謝をしていた。


自分で聞けばいいのに……




「あ…えと、名前、は…明花、です!桐島明花(きりしま・めいか)といいます!」


桐島明花。
先生にぴったりだわ。


明るい花で、明花か。
いい名前。




興奮に満ちた優奈が、ありがとうございました!と頭を下げて椅子に座ると、桐島先生は出欠をとりはじめて……。


そのあと、始業式やら着任式やら、いろいろ終わって、何だかんだで下校時刻。



< 5 / 6 >

この作品をシェア

pagetop