初恋が終わる頃に
まだ寒波と見られるこの肌寒い季節。
マフラーと手袋を装備しなければ、凍え死にそうなくらい身体が冷える。
そんなある日にあたしは衝撃を受けた。
「別れてくんない?」
まだ夕方なのにも関わらず、やはり冬の夕日は早く進んで隠れてしまう。
もうすぐ暗くなる手前の普段と至って変わらないこの公園で…
ベンチで隣同士あたし達は寄り添って座っていた。
きっとこの瞬間が幸せなんだと、痛い程痛感したはずだった。
だけど、貴方の一言であたしの体温が一気に冷めていく気がした。
「ど…どうして?」
言葉に詰まってしまうあたしを見ながら、冷静な目でどこか悲しげな貴方。
「ごめ、最初から好きじゃなかったんだ。お前の事」
固い鈍器で頭を殴られたような、そんな感覚が押し寄せた。
血の気が引いていくような、もう頭の中はボーッと真っ白な世界。
貴方はそんなあたしを見て…立ち上がった。