初恋が終わる頃に
でもそれは"大人らしい"では違うような…
この場から帰りたいと思った気まずさは、彼の表情で一瞬に変わる。
話が、したくて。
あたし達はこの前のベンチに移動すると、隣同士で座りあった。
二人の間に、もう一人座れるような空間を空けて。
「悩みとか…聞きます」
「ないから。お前はあれから大丈夫か?」
俺の事なんかどうでもいい、と言われてるような気がしたけど…それでもあたしを心配してくれる言葉の方が心にズキッと刺さった。
真っ暗な空は、公園の時計台までも見えなくしてしまう。
携帯を見れば時間なんてすぐ分かるのに、今はそんな考えさえなかった。
時間なんて、今は気に出来なかった。
「あたしは大丈夫です。おかげで元気になりましたよ」
「そっか…良かった」